デイサービスで介護職員と生活相談員を兼務しています。
今日から「介護ハック」という小さなシリーズを始めます。
介護のあるあるを1つと、小さな解決ワザを1つ。そんな短い話です。
送迎の車、もうすぐ来ちゃうんですけど……。
「今日は行かない」。
デイの朝に、ほんとによく聞いた言葉です。
私は以前勤めていたデイサービスで、送迎に行く介護職員をしていました。
2019年に転職する前の話です。
そのとき実際にかけていた言葉を置いておきます。
「体調が悪い」と言われたときの動き方も一緒に。
迎えに行くと「説得して」と頼まれました
これ、ほんとによくありました。
迎えに行くと、娘さんやご主人から頼まれるんです。
「説得してほしい」「声をかけて」と。
家に上がらせてもらって、お連れしたこともあります。
ひとり暮らしの方は、また少し違いました。
何かと理由をつけて、断ろうとされるんです。
よく聞いた理由は、この2つです。
- 「体調が悪い」
- 「用事がある」
この場合も、声をかけて来てもらっていました。
ただ、声をかけて来てもらえたことは、よくありました。
そのときの言葉を、次にまとめますね。
実際にかけていた言葉
特別なセリフは、ひとつもありません。
- 「お風呂に入りに行きましょう」
- 「みんなでおいしいごはん食べに行こう」
- 「外に出て気晴らししましょう」
- 「お天気がいいのでお出かけしましょう」
- 「カラオケ歌いに行きましょう」
- 「麻雀しましょう」
- 「ご家族さんから頼まれてるよ」
並べてみると、楽しいことか気持ちのいいことばかりですね。
小さなうそでも、言ったあとってモヤッとするんですよね。
なので、うそは言わないようにしていました。
「カラオケに行きましょう」と誘って、その日にカラオケがなかったら。
本人は「話が違う」と感じますよね。
次の朝、もっと行きたくなくなるかもしれません。
そこで、おすすめは1つだけです。
通っているデイで、本当にやっていることを誘い文句にする。
お風呂がある日なら、お風呂。
麻雀があるデイなら、麻雀。
「お天気がいいので」も、窓の外を見れば本当のことです。
「外に出て気晴らし」も、うそは入っていません。
どれも連れ出すための作り話ではなく、その日の本当の予定です。
「ご家族さんから頼まれてるよ」も、本当のことですよね。
正直に言うと、時と場合によっては使わざるを得ないときもあったかもしれません。
ただ基本は、その日にない予定では誘わない。
言ったあとのモヤッとは、けっこう残るものです。
ご家族の方は、デイで何をしているかを職員に聞いておくと安心です。
誘い文句が、ぐっと増えます。
▶ デイサービスってどんなところ?仕事内容・1日の流れを介護職が解説
「体調が悪い」と言われたら
ここが、いちばん迷うところです。
まず大前提として、本当に具合が悪いときは無理をさせません。
そのうえで、当時の私の動き方はこうでした。

- 家族がいる場合:家族に確認をとって、行くか休むかを決める
- ひとり暮らしの場合:様子を見て、話を聞く。判断がつかなければデイへお連れして、看護師が判断する
- 休むことになったら:家族とケアマネに連絡する
家族がいると、判断がぐっと楽になります。
ふだんと比べてどうか、を知っている人だからです。
ひとり暮らしの方は、正直むずかしいです。
ふだんの様子を知っている人が、その場にいませんから。
これが、よく効きました。
「体調が悪い」という言葉を、否定しないで受け取る一言です。
見てもらう先は、デイの看護師です。
ご家族の方も、「看護師さんに見てもらおうか」はそのまま使えると思います。
体調の変化は、食べる量にも出ます。食事量が落ちてきたときにデイで見ていることは、こちらに書きました。→ 親が食べなくなってきた…どうする?|デイでは毎回、記録しています
それでも無理な日は、ケアマネさんへ
ひとりで抱えなくて大丈夫です。
当時も、どうしても無理なときはケアマネさんに連絡していました。
ご家族の方も同じです。
毎朝の説得を、家族だけで背負い続けなくていいんです。
嫌がる朝が続くなら、担当のケアマネさんに相談してください。
「朝になると行きたがらないんです」の一言で十分です。
要支援の方は、地域包括支援センターが担当になることもあります。
「行きたがらない」も、立派な相談ごとですよ。
うちのサナエちゃんの場合
最後に、わが家の話を少しだけ。
母のサナエちゃんも、最初はデイを渋っていました。
特に、お風呂に入るのを嫌がっていたんです。
それが最近は、デイの日を楽しみにしています。
張り切って行っています。
お風呂も今では、うそのように「気持ちよかった」と言っています(笑)
朝の「行かない」は、ずっと続くとは限らないんだなと思います。
わが家でも、そうでしたから。
・誘い文句は、デイで本当にやっていること
・「体調が悪い」には「看護師さんに見てもらおう」
・本当に具合が悪いときは、無理をさせない
・続くときは、担当のケアマネさんに相談
朝の玄関で困っている方の、小さなヒントになればうれしいです。


