📌 この記事でわかること
- デイサービスで実際に人気の曲ベスト10
- 高齢者に喜ばれる音楽の傾向
- カラオケがデイサービスにもたらす効果
※実際にデイサービスで働く中で、よく歌われている曲をまとめました。
岩壁の母がリクエストされると、私の出番です。
曲の途中に語りのセリフがあるこの曲、みなさん歌は歌えてもセリフは恥ずかしがって言えません。そこで男性職員である私が「岩壁に立つ母」になり代わり熱演するわけですが、これが毎回大ウケ。気づけば完全にキャラが定着していました。
月末の締め作業や担当者会議の直前にリクエストが来ると少し焦りますが、それもまた現場あるあるということで(笑)
今回は釧路市内のデイサービスで実際に集計したカラオケ人気ランキングBEST10と、現場で使える盛り上げテクニックをご紹介します。
カラオケ人気ランキングBEST10
🎤 1位:北国の春(千昌夫)
デイカラオケの絶対王者。イントロが流れた瞬間、自然と口ずさむ方が多い。東北出身の方が歌うと津軽訛りが出て、それがまたいい味を出してくれます。周りの方も一緒に口ずさんだり、聴き入ったり。
歌いやすく誰でも知っている曲なので、体験利用の方やデイに慣れていない方への最初の一曲としてもおすすめです。
🎤 2位:さざんかの宿(大川栄策)
歌いやすく、しっとりした雰囲気が漂う一曲。切ない恋がテーマなだけに、昔の恋話に発展することも。ただし不倫がテーマの曲なので「あんたは大丈夫なの?」と突っ込まれることもあります。もちろん大丈夫です。
🎤 3位:夢追い酒(渥美二郎)
歌いやすさは今回のランキングでも屈指。お酒が登場する曲は昔の武勇伝を引き出す最強の導線です。何が好きか、どれくらい飲んだか、行きつけのお店の話……男性利用者さんはかなりの確率でお酒好きなので、この曲をきっかけに話が止まらなくなることも。当時の生き生きとした表情が見られる、実は貴重な一曲です。
🎤 4位:愛燦燦(美空ひばり)
しっとりと、でもみんなで聴き入る一曲。「人生って素敵なものですね」というフレーズが胸に刺さります。デイに来られる方はみなさん、それぞれの人生を歩んできた方ばかり。その言葉が自然と腑に落ちるのか、歌い終わったあとに静かな余韻が残ります。個人的にも特に好きな曲です。
🎤 5位:宗右衛門ブルース(平和勝次とダークホース)
聴き心地の良さが人気の理由。男性曲ですが女性もよく歌います。その人気ぶりは本物で、以前兼務していたデイではこの曲の取り合いで喧嘩になったことも。今のデイでは同じ曲を複数の方に歌ってもらうスタイルに。「いい曲は何回聴いてもいいよね」の一言でみなさん納得してくれます。人気曲のリクエスト対応も、実は職員の腕の見せどころです。
🎤 6位:岩壁の母(二葉百合子)
冒頭でも触れましたが、この曲が私のキャラを作りました。最初は他の職員に無理やりやらされていたのですが、気づけばセリフありの曲が来ると自らマイクを握るようになっていました(笑)男性職員が熱演するから受けるというのもあると思います。理由は聞かないでください。
🎤 7位:北の漁場(北島三郎)
釧路といえば漁業。漁師や漁業関係の方が多いこの土地では、この曲の説得力が違います。さんまや鮭の季節になると特によくリクエストされる気がするのは、歌詞が身近に感じられるからでしょうか。
北島三郎さんの曲はほかにも名曲がたくさんあり、正直「一曲に絞れない」というのが本音です。「まつり」「与作」「函館の女」……どれが来ても盛り上がります。
🎤 8位:高校三年生(舟木一夫)
テンポが良く歌いやすい一曲。舟木一夫さんは御三家(橋幸夫・舟木一夫・西郷輝彦)の一人として根強い人気があります。我が家の母も大ファンで、気持ちはよくわかります(笑)
御三家つながりでは橋幸夫さんの「潮来笠」「いつでも夢を」もよくリクエストされます。場の雰囲気を上げたいときに重宝する曲たちです。
🎤 9位:南部蝉しぐれ(福田こうへい)
福田こうへい・三山ひろし・山内惠介——同時期に売れ出したこの三人、女性利用者さんに特に人気があります。原曲はキーが高くテンポも難しいので、歌いやすいキーに調整するのがポイントです。
民謡で培ったハリのある声が魅力の福田こうへいさん、ファンの方が歌うのを聴いて「私も歌ってみたい」と広がっていくのがこの曲の人気の秘密かもしれません。釧路にコンサートに来ることもあり、実際に行かれた利用者さんからコンサートの話を聞くのも楽しみの一つです。
🎤 10位:釧路の夜(美川憲一)
釧路を歌った曲は何曲かありますが、その中でも断トツに歌いやすい一曲。スローな曲調ですが、カラオケの映像に釧路の風景が映し出されると「あっ釧路だ!」と自然と反応が生まれます。地元の名前がついた曲を地元で歌う、それだけで特別な一体感があります。
釧路つながりでは水森かおりさんの「釧路湿原」、山内惠介さんの「釧路空港」もよく歌われます。山内惠介さんは女性利用者さんに人気なので、こちらもリクエスト必至です。
現場で使える盛り上げテクニック
✅ セリフのある曲は誰かが担当する
昔の曲にはセリフが入るものが多い。誰かが担当すると場が一気に盛り上がる。男性職員がやると特に受ける(理由は聞かないでください笑)
✅ テンポの速い曲は手拍子必須
自然と体が動く曲は手拍子でさらに盛り上げる。リズムに乗れない方も手拍子なら参加できます。
✅ 合いの手はためらわず入れる
「ア、ヨイショ!」系の合いの手は積極的に。笑いにもなるし一体感が生まれます。
✅ 映像も立派なコミュニケーションツール
「釧路の夜」では必ず釧路の映像が流れる。「あっ釧路だ!」の反応を拾って昔話を引き出すのがコツ。本人や当時の映像が出たときも「知ってる方ですか?」と一声かけると会話が広がります。これは回想法にも繋がるケアの技術です。
✅ 人気曲が重なったときは「みんなで聴けてお得!」のテンションで
同じ曲のリクエストが重なっても、複数の方に歌ってもらうスタイルで場をまとめるのがコツです。
✅ 昔話を引き出す曲を意識する
お酒の曲→武勇伝、切ない恋の曲→昔の恋話、漁業の曲→仕事の思い出。曲のテーマに沿った話題を振ると自然に会話が広がります。
おわりに
カラオケはただの娯楽ではありません。
「人生って素敵なものですね」という歌詞に静かに頷く方、津軽訛りで北国の春を歌う方、釧路の映像を見て昔の話を聞かせてくれる方——カラオケの時間は、その人の人生に触れる時間でもあります。
ただ、正直に言うと、今回ご紹介した内容はあくまでうちのデイならではのノリです。職員が明るくて楽しいことが好きな人が多く、気づけば変なノリになることも多々あります。私も含めて(笑)
でも、このスタイルが全員に合うわけではありません。賑やかな雰囲気が苦手な方、歌うこと自体が苦痛な方もいます。以前のデイでは、歌わされることが嫌で辞めた職員もいました。
大切なのは無理に参加させないこと。歌わなくても一緒に聴く、一フレーズだけ口ずさむ、手拍子をする——何か自分なりの参加の仕方を見つけられれば、それで十分です。職員も同じで、できることを無理なく楽しむ姿勢が、結局一番場を盛り上げると思っています。
今日もどこかのデイサービスで、誰かが岩壁の母を熱演していることを願いつつ(笑)
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