辞令に、基本給が書いてありました。
数字が、3万円上がっていました。
ぬか喜びになったら、かっこ悪い。
そう思って、明細をもらうまでは、あまり考えないようにしていました。
ケアマネの資格を取ったあとの話です。
ただ私は、ケアマネとして一度も働いていません。
いまもデイサービスで、介護職員と生活相談員を兼務しています。
ところが、逆の話も聞こえてきます
先日、この資格の話をSNSに書きました。
そうしたら、同じ立場の方から声が届きました。
ケアマネの資格を取ったけれど、ケアマネはしていない。
理由が、はっきりしていました。
ケアマネとして働くと、給料が「ケアマネとしての初任給」になる。
介護や看護でどれだけ経験を積んでいても、そこは足してもらえない。
それを知って、体調を崩すほどショックだったそうです。
同じような話は、ひとつではありませんでした。
給料が下がるから、若い人が選ばない。
だから居宅介護支援事業所が減っていく。
地域によっては、頼めるケアマネがいない。
私は、上がりました。
その方は、下がると言われて動けなかった。
どっちが本当なんだろう。
気になって、調べてみました。
まず、平均を見てみます
じゃあ、どっちが本当なんでしょう。
まず、数字を見てみます。
厚生労働省が毎年やっている調査があります。
「介護従事者処遇状況等調査」というものです。
いちばん新しいのが令和6年度の分。
令和6年9月時点の結果(厚生労働省)です。
月給・常勤の人の平均給与額を、3つの職種で並べます。
ケアマネが375,410円。
相談員が353,950円。
介護職員が338,200円です。

この「平均給与額」は、基本給に手当と一時金を足した額です。
手取りではありません。
で、順番を見てください。
ケアマネが、いちばん上です。
私は介護職員と相談員を兼務しています。
その相談員より、2万円ほど高い。
介護職員と比べると、3万7千円ほど違います。
あれ、と思いました。
平均で見ると、ケアマネのほうが高いんです。
じゃあ「下がる」って話は、何なんでしょう。
じゃあ、なんで「下がる」が起きるのか
気になったので、国の文書を読み直しました。
令和8年度の介護報酬改定を決めた審議報告に、こんな一文があります。
労働条件については、本来、労使間において自律的に決定すべきもの
社会保障審議会介護給付費分科会「令和8年度介護報酬改定に関する審議報告」
つまり、給料の額を国が決めているわけではない。
決めているのは、それぞれの事業所の賃金規程です。
そしてもうひとつ。
ここが、私がいちばん驚いたところです。
処遇改善加算には「キャリアパス要件Ⅲ」という条件があります。
ざっくり言うと、昇給の仕組みを作ってくださいね、という話。
そのなかで、資格についてはこう書かれています。
別法人等で介護福祉士等の資格を取得した上で当該事業者や法人で就業する者についても昇給が図られる仕組みであることを要する
介護職員等処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和8年度分)
よそで取った資格でも、昇給に反映しなさい。
国は、そこまで言っています。
じゃあ、経験年数は。
これが、ないんです。
同じ要件のなかに、経験に応じて昇給する仕組み、という項目はあります。
ただ、そこは「勤続年数」でも「経験年数」でもいい、という書き方です。
どちらを選ぶかは、事業所しだい。
「勤続年数」を選べば、自分の法人で働いた年数だけになります。
資格は、よその分も見なさいと言う。
経験年数は、よその分を通算しなさいとは言っていない。
ここ、ぽっかり空いているんですよね。

だから、正しい言い方はこうなると思います。
制度がケアマネの給料を下げているわけではありません。
「経験年数を通算しなさい」と、誰も言っていない。
その空いたところで、事業所ごとに起こりうる。
だから答えは、いつもの「事業所による」です。
つまらない答えですみません。
でも、ここを大きく言うと嘘になります。
背景の数字も、少しだけ
居宅介護支援事業所の数です。
平成30年は40,956か所ありました。
令和6年は37,258か所。
9.0%、減っています。
ケアマネ試験の受験者数も見ておきます。
第20回は131,560人でした。
第21回は49,332人。
桁がひとつ違うくらい、減りました。
それ以降は、4〜5万人台のままです。
この年に何があったのか。
厚労省のページには理由が書かれていません。
なので、ここでは書きません。
言えるのは、増える気配が今のところないということだけです。
「総合職員にならないか」と言われた日
2024年11月。
ケアマネ試験の合格発表がありました。
そこから4か月ほど経った2025年3月。
職場から、こう言われました。
「一般職員から、総合職員にならないか」
話は、向こうから来ました。
私から売り込んだわけではありません。
正直、驚きました。
自分から手を挙げたことは、一度もなかったので。
まず面談。
そのあと、理事長以下の偉い人たちの前で面接。
履歴書も書きました。
結構めんどくさかったよ、というのが正直な感想です(笑)。
理事長の前で自分のことを話す機会なんて、そうそうありません。
そして、採用。
で、増えた分がこちらです。
- 基本給が3万円アップ
- 資格手当が6,500円
- 賞与が3か月から4か月に
- 寒冷地手当が11月〜3月に13,000円
寒冷地手当は、釧路ならではかもしれません。
給料そのものの話は、明細8か月分を並べた記事に書きました。
処遇改善のお金が、実際にいくら増えたのかという話です。
ここで、ひとつはっきり書いておきます。
これは、同じ法人の中での昇格の話です。
よその法人へ移る場合とは、条件がまったく違います。
ケアマネを取れば誰でもこうなる、という話ではありません。
私の場合はこうだった、というだけです。
ちなみに今も、デイサービスで介護職員と生活相談員を兼務しています。
ケアマネとして働いた経験は、ありません。
なぜ、打診がこんなに早かったのか。
あくまで私の憶測ですが。
よそでケアマネをされたら困るから、早めに声をかけたのかもしれません。
増えた分は、どこへ行ったか
お金が増えたら、使い道を決めておく。
そうしないと、たぶん消えます。
入ってくる額が増えても、決めていない分から先に消えていく。
それは、何となく分かっていました。
まずは、つみたてNISAと高配当株。
増えた分を、そのまま入れています。
それから、固定資産税。
これまでは、奥さん任せにしていました。
今は、自分も払うようにしています。
あとは、趣味。
釣りとゲームに使える分も、少し増えました。
ぜいたくをしている感覚は、ありません。
選べる幅が、少し広がっただけです。
正直、生活は豊かになったと感じています。
そのころ、こっそり求人サイトを見ていました
時間を少し巻き戻します。
資格を取ったあと、考えたことがありました。
ケアマネに移ったら、給料はどうなるんだろう。
求人サイトを見て、転職する気マンマンでした(笑)。
あのころの私は、完全に外を向いていました。
ただ、職場では一切話題に出しませんでした。
「こいついなくなるつもりだな」
そう思われるのが目に見えていたからです。
気になっていたことが、もうひとつ。
以前、同じ職場にいた相談員の方がいます。
ケアマネを取って、他社の小規模多機能へ移りました。
自分も同じルートを辿ると思われたかもしれません。
その方と一度会ったとき、こう言っていました。
「お金は良い」
そう聞けば、気持ちは動きますよね。
で、実際に求人を見てみました。
よく知っている、居宅介護支援事業所です。
給料が良いとは、感じませんでした。
職務内容から察して、おいしい話とは思えなかった。
ここで、本音をひとつ。
「前の職場の経験が通算されない」という話。
私は正直、ピンとこないんです。
経験がどんなに長かろうが。
ご立派な経歴があろうが。
最終的には、人間性だと思う。
そこには、あまり関心がないですね。
後輩に相談されたら、こう言います
「ケアマネになろうか、迷ってるんです」
そう相談されたら、私の返事は決まっています。
「自分で決めなさい」
冷たく聞こえますかね。
ただ、これがいちばん誠実だと思っています。
お金を取るか、自分のやりたいことを取るか。
自分の気持ちに正直な答えを出しなさい。
後悔しない決断をすることが大切。
この返しで通している理由も、書いておきます。
私のアドバイス通りにやって、失敗したとします。
「あなたの言う通りにやった結果、こうなった」
そう言われるのが、嫌なんです。
だからどんな質問や相談が来ても、基本この返しです。
普段から言っていることも、だいたい同じ。
- 後悔しない人生
- やりたいことをやるほうがいい
- 積み上げたものは裏切らない
- 前言撤回もありだよ
- 楽しんだ者が勝つ
この中の「積み上げたものは裏切らない」。
私にとっては、この資格がそれでした。
働きながら勉強して、1年目は落ちました。
受かったのは2年目です。
積み重ねて、やっと取ったものです。
だから、金額以上の価値があると思っています。
そして何より大きいのは、選択肢が増えたこと。
動いていない今も「動こうと思えば動ける」と思えるだけで、心にゆとりができました。
お金の話をさんざん書いておいて何ですが。
たぶん、そっちのほうが大きいです。
ケアマネの給料は、下がるのか上がるのか。
私の場合は、上がりました。
同じ法人の中で、昇格したからです。
ただ、それは私の話。
あなたの答えは、あなたが決めていい。
決めるのは、いつも本人です。
そのほうが、後悔しないと思うんです。
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資格を取ったのに、ケアマネをしていない。
その理由を全部書いたのがこちらの記事です。
そもそも、どうやって受かったのか。
1年目に落ちたところからの記録がこの記事にあります。
これから受けようか迷っている方は、受験資格の入口の話から読んでみてください。


