「デイサービスの見学、行ってみたら?」とケアマネジャーさんに言われたものの。
正直、何を見ればいいのか分からない…という方、多いんじゃないでしょうか。
わたしはデイサービスで働いて12年、見学に来られたご家族を何百組もお迎えしてきました。
そして今は、80歳の母と同居しながら「選ぶ側」の気持ちも実感している最中です。
今回は「受け入れる側だから分かる、見学で本当に見るべきポイント」を、できるだけやさしくまとめました。
そもそもデイサービスって何?という方は、先にデイサービスってどんなところ?の記事から読んでいただくと分かりやすいと思います。
見学の申し込みはどうするの?
いちばん簡単なのは、担当のケアマネジャーさんに「見学したいです」と伝えることです。
候補の施設を挙げてくれて、日程の調整までしてくれることがほとんどです。
もちろん、気になる施設に直接電話して「見学できますか?」と聞いても大丈夫。
そして大事なことをひとつ。
見学は何か所行ってもいいんです。1か所だけ見て決める必要はありません。
受け入れる側から言うと、見学に来てくれるのはうれしいことなんです。「比べてから決めたい」と正直に言ってもらって全然かまいませんよ。
まだ要介護認定を受けていない場合は、申請から始めることになります。
認定のしくみは厚生労働省の「要介護認定」のページにまとまっています。
利用開始までの流れはデイサービスを利用するには?(利用までの流れ)で詳しく書いています。
チェックポイントは「見る・聞く・感じる」の3つ
パンフレットやホームページでは分からないことを確かめるのが見学です。
「目で見る」「質問して聞く」「五感で感じる」の3つに分けて整理しますね。

目で見るポイント
- 利用者さんの表情:笑顔があるか、退屈そうにポツンとしている人がいないか
- 職員の声かけ:目線を合わせているか、子ども扱いするような話し方をしていないか
- トイレと浴室の清潔さ:見せてもらえるなら必ず見る。手すりの位置もチェック
- 座席の様子:一日中同じ席でテレビだけ、になっていないか
建物の新しさより、「人の様子」を見てください。
設備は古くても雰囲気のいい施設は、たくさんあります。
耳と鼻で感じるポイント
意外と大事なのが、においと音です。
玄関を入った瞬間に感じるにおいは、掃除や排せつケアがきちんとされているかのバロメーターになります。
音は、にぎやかすぎても静かすぎても気になるところ。
「うちの親がこの空気の中で一日過ごせそうか」を想像しながら感じてみてください。
質問して聞くポイント
聞きにくいことこそ、見学のときに聞いておきましょう。
- 送迎の範囲と時間帯:自宅は範囲内か、家の前まで来てくれるか
- 入浴のやり方:個別のお風呂か大きなお風呂か、同性の職員に対応してもらえるか
- お休みしたときのキャンセル料:当日の体調不良の場合はどうなるか
- 体験利用ができるか:1日お試しで通えるか、費用はかかるか
- 食事:きざみ食などの対応、アレルギーや好き嫌いへの配慮
キャンセル料や体験利用の扱いは、施設によってかなり異なります。
料金まわりの基本はデイサービスの費用はいくら?の記事にまとめてあるので、見学前に読んでおくと質問しやすいですよ。
なお、デイサービス(正式には「通所介護」といいます)のしくみは、厚生労働省の「通所介護(デイサービス)」のページでも確認できます。
中の人だから分かる、見落としがちな3つのサイン
ここからは、受け入れる側として働いてきたわたしだから言える部分です。

① 職員同士の会話の雰囲気
利用者さんへの接し方は、見学者向けに「よそいき」になっていることもあります。
でも、職員同士のやり取りまでは取りつくろえません。
職員がお互いに声をかけ合い、笑顔でやり取りしている施設は、たいてい中の空気もいいものです。
② 掲示物の「鮮度」
壁に貼ってある行事の写真やお知らせの日付を、さりげなく見てください。
何か月も前の掲示が色あせたまま貼られている施設は、日々の活動にも余裕がないサインかもしれません。
逆に、最近の行事の写真がにぎやかに貼ってあれば、活動が活発な証拠です。
③ 見学対応の丁寧さは「普段の対応の鏡」
電話をしたときの受け答え、見学当日の案内のされ方。
これは入り口の対応であると同時に、利用が始まったあとの家族対応の予告編でもあります。
質問にあいまいなまま答えず、「確認してお返事しますね」と言える施設は信頼できます。
見学のご家族が帰られたあと、わたしたちは「ちゃんと伝わったかな」と結構ドキドキしています。遠慮せず、気になることは全部聞いてくださいね。
本人を連れて行くべき?

結論から言うと、最初の見学は家族だけでもかまいません。
本人は「施設に入れられるのでは」と身構えてしまい、見学自体を嫌がることがよくあるからです。
まず家族が下見をして、「ここなら合いそう」という1〜2か所にしぼる。
そのうえで、本人には見学ではなく「体験利用」で実際に一日過ごしてもらう。
この順番のほうが、うまくいくケースが多いと感じています。
まとめ:完璧な施設はありません
12年この仕事をしてきて断言できるのは、「すべてが完璧な施設はない」ということです。
だからこそ、優先順位を決めておくことが大切です。
- 見学の申し込みはケアマネジャー経由が簡単。複数見学してOK
- チェックは「見る・聞く・感じる」の3本立てで
- 職員同士の雰囲気・掲示物の鮮度・見学対応の丁寧さは、普段の姿を映す鏡
- 最初の見学は家族だけで。本人は体験利用から
- 優先順位を決めて、2〜3か所比べれば十分
「お風呂が丁寧なこと」「家から近いこと」「本人が楽しめる活動があること」。
何をいちばん大事にしたいかを家族で話しておけば、2〜3か所見比べるだけで、きっと「ここだ」という施設に出会えます。
迷ったら、ケアマネジャーさんに「正直どう思いますか?」と聞いてみるのもアリです。地域の施設の評判を、いちばんよく知っている人ですから。
わたしの地元・釧路の相談先と手続き窓口はこちらです。「何から始めれば…」というときは、まず地域包括支援センターに相談するのが一番です。
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