こんにちは、わらびもちです。
私は元ケアマネジャーで、2026年の6月から実の母との同居を始めた、北海道・釧路に住む50代の息子です。
今日は「高齢の親の、室内での熱中症対策」についてのお話です。
「うちは涼しい地域だから関係ない」と思っている方こそ、ぜひ読んでいってください。
実は、私自身がそう思っていた一人だったんです。
涼しいはずの道東でも、エアコンをつけました
北海道の道東、釧路といえば「夏でも涼しい」「クーラーなんていらない」というイメージがあると思います。
私もずっとそう思っていました。
でも、ここ数年で事情が変わってきました。
釧路も年々暑くなってきていて、去年はとうとう、我が家もエアコンを見直しました。
リビングのエアコンは、もっとよく冷えるように大きめのものへ買い替え。
これまでエアコンのなかった、西日のきつい部屋にも、新しく一台つけました。
「あの釧路で、ついにエアコンか」と、自分でも少し驚きました。
つまり、涼しいと言われてきた地域でさえこうなのです。
高齢の親の熱中症は、もう「暑い地方だけの、他人事」ではなくなってきています。
「うちの地域は涼しいから大丈夫」——去年までの私の口ぐせでした。その油断が、いちばんあぶないのかもしれません。
そもそも、なぜ高齢者は熱中症になりやすいの?
「年をとると熱中症になりやすい」とよく言われますよね。
これにはちゃんとした理由があります。
むずかしい話は抜きにして、ポイントだけお伝えします。
- 暑さを感じにくくなる……「暑い」というセンサーが鈍くなり、本人は平気なつもりでも体に熱がこもります。
- のどの渇きを感じにくくなる……体は水分を欲しているのに、本人は「のどが渇いていない」と思ってしまいます。
- 汗をかきにくくなる……汗で体温を下げる力が弱まり、熱が逃げにくくなります。
- 体内の水分量がもともと少ない……若い人より体にためておける水分が少なく、脱水になりやすいのです。
つまり、本人の「大丈夫」「のど渇いてないよ」は、体の本当の状態とずれていることが多いんです。
だからこそ、まわりの家族が気づいて手を差しのべる必要があります。
「室内なら安心」は大きな勘ちがい
ここがいちばん知ってほしいところです。
熱中症は、炎天下の外だけで起こるものではありません。
むしろ高齢者の場合、自宅などの室内で起きるケースがとても多いんです。
家の中は風が通りにくく、気づかないうちに気温も湿度もぐんぐん上がっていきます。
そこに「暑さを感じにくい」「のどの渇きを感じにくい」という高齢者の体の特徴が重なると、エアコンもつけずに、水も飲まずに、何時間も過ごしてしまう。
これが、室内の熱中症が起きるよくあるパターンです。
暑さや予防のくわしい情報は、環境省の熱中症予防情報サイトや、厚生労働省の熱中症予防のための情報・資料サイトでも案内されています。
熱中症は「外」より「家の中」で起こることが多いのが高齢者の特徴です。エアコンのある部屋でも、つけていなければ意味がありません。「室内だから安心」という思い込みを、まず手放しましょう。
エアコンを嫌がる親への、声かけと工夫
「エアコンを買ったのに、親がつけてくれない」
これ、本当によく聞く悩みです。
無理に「つけなさい!」と言っても、なかなかうまくいきません。
親が嫌がる理由ごとに、対応を考えてみましょう。
「電気代がもったいない」と言う親には
節約が体にしみついた世代ほど、ここで強く抵抗します。
そんなときは「お金より体のほうが大事だよ」だけでなく、具体的な数字で安心してもらうのがおすすめです。
最近のエアコンは省エネが進んでいて、つけっぱなしでも一日数十円〜くらいで収まることも多いです。
「ジュース1本ぶんくらいだよ」と伝えると、ふっと表情がやわらぐ方もいます。
「寒い」「体が冷える」と言う親には
高齢の方は冷えに弱いので、これも当然の感覚です。
ポイントは、ガンガンに冷やさないこと。
設定温度はまず28度くらいから始めて、寒ければ薄手の長そでや、ひざ掛けで調整します。
冷たい風が直接体に当たらないように、風向きを上に向けるのも効果的です。
「冷やすため」ではなく「部屋の空気をちょうどよくするため」と説明すると、受け入れてもらいやすいですよ。
……と、えらそうに書いていますが、正直うちはこれが全然通用しません(笑)。最新のエアコンは電気をそんなに食わないと何度説明しても、母の「もったいない」はなかなか手ごわい。それでも、めげずに声をかけ続けています。
のどが渇かない親への、水分補給の工夫
「のど渇いてないから、いらない」
このひと言と、毎日のように向き合うことになります。
でも前にお伝えしたとおり、高齢者はのどの渇きを感じにくいだけ。
「渇いていない=水分が足りている」ではないんです。
無理なく水分をとってもらう工夫を、いくつかご紹介します。
- のどが渇く前に、こまめに……「飲みたい?」ではなく「はい、ひと口どうぞ」と、ふだんの声かけのリズムに組みこむ。
- 食事からもとる……みそ汁・スープ・果物・ゼリーなど、食べる水分も立派な水分補給です。
- 飲み物のバリエーションを……水が進まないなら、麦茶・薄めたジュース・牛乳など、本人が好きなものでOK。
- 暑い日や汗をかいたときは経口補水液を……たくさん汗をかいた日は、塩分も一緒にとれる経口補水液やゼリータイプが安心です。
コップに少しだけ入れて、手の届くところにいつも置いておく。
それだけでも、自然と口に運ぶ回数が増えますよ。
室温・湿度の目安と、見守りのポイント
本人の「暑い・寒い」の感覚はあてにならないことがあります。
だからこそ、数字で見える「ものさし」を用意してあげましょう。
- 室温の目安は28度くらいまで……これを超えてきたらエアコンの出番です。
- 湿度は50〜60%くらい……同じ気温でも、湿度が高いとぐっと危険になります。
- 温湿度計を部屋に置く……数字が見えると、本人も「あ、今日は暑いんだ」と気づけます。
温湿度計は、文字が大きく見やすいものを選ぶと親も使いやすいです。
「28度を超えたらエアコンつけてね」と、わかりやすいルールを一緒に決めておくのもいいですね。
これは危険なサイン|応急処置と受診の目安
もしものときのために、危険なサインも知っておきましょう。
次のような様子が見られたら、熱中症を疑ってください。
- 顔が赤い、体が熱いのに汗をかいていない
- 「なんだかぼーっとする」「頭が痛い」「気持ち悪い」と言う
- 受け答えがいつもとちがう、ふらつく
- 手足がつる、力が入らない
こうしたときは、まず涼しい場所へ移動させ、服をゆるめて、首・わきの下・足のつけ根を冷やします。
意識がしっかりしていれば、水分(できれば経口補水液)を少しずつとらせます。
・呼びかけへの反応がおかしい、意識がはっきりしない
・自分で水分をとれない、まっすぐ立てない
・けいれんしている
こんなときは、ためらわず救急車を呼んでください。「大げさかな」と迷っているうちに、高齢者の熱中症は一気に悪化します。
離れて暮らす親には、遠くからの見守りを
すべての方が、私のように親と同居しているわけではありませんよね。
離れて暮らす親が心配、という方も多いと思います。
そんなときは、遠くからでもできる見守りを取り入れてみてください。
- 暑い日は、こまめに電話やLINEを……「今日そっち暑い?エアコンつけてる?水飲んだ?」の3点セットで。
- 天気予報や熱中症アラートをチェック……親の地域が暑い日は、いつもより一本多く連絡を。
- ご近所やケアマネさんと連携を……「暑い日は気にかけてください」と一声お願いしておくと安心です。
電話のたびに「ちゃんとしてる?」と問いただすと、親も身構えてしまいます。
「最近暑いね、こっちもまいってるよ」くらいの世間話の延長で、さりげなく確認するのがコツです。
同居でも別居でも、結局いちばんの見守りは「声をかけ続けること」だと思っています。完璧じゃなくていいんです。気にかけている、それが伝わるだけで十分。
おわりに
高齢の親の熱中症対策は、特別なことをするわけではありません。
暑くなったらエアコンをつける。
のどが渇く前に、ひと口すすめる。
温湿度計でこまめに気にかける。
その小さな積み重ねが、親の命を守ります。
あの涼しい釧路でもエアコンが当たり前になった今、どの地域に住んでいても、夏の備えは必要です。
この記事が、あなたとご家族の夏を少しでも安心なものにできたら嬉しいです。
親の介護をこれから始める方は、母との同居が、思ったよりずっと穏やかに始まった話や、要介護認定の申請方法【完全ガイド】もあわせて読んでみてくださいね。



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