✏️ この記事を書いた人:わらびもち
北海道・釧路のデイサービスで生活相談員として12年以上勤務。介護福祉士・ケアマネジャー資格保有。実母の介護も経験。記事は個人の経験・見解に基づくものです。医療・介護の判断は必ず専門家にご相談ください。
📋 この記事でわかること
- 介護の準備を始める「ちょうどいいタイミング」とは?
- 「そろそろかも」と気づくための介護サインの見分け方
- 要介護認定の申請方法と、認定までの流れ
- 今日からできる3つの具体的な準備
- 介護職12年・母と同居中の筆者からのリアルなアドバイス
「親がそろそろ心配だけど、介護ってまだ早いよね?」と思っていませんか?実は、介護の準備を始める”ちょうどいいタイミング”は、何も困っていない今なんです。
デイサービスで12年以上働き、ケアマネジャーの資格も持つ私が、「準備が遅れて大変だった家族」を何十組も見てきた経験から、親の介護準備のリアルをお伝えします。

親の介護準備、「早すぎる」はない
「介護が必要になってから考えればいい」という方が多いのですが、実際に介護が始まると、焦りと疲弊の中で重要な決断をしなければなりません。施設を探す時間も、手続きをする余裕も、なかなかとれない。
私の母サナエちゃん(現在同居中)の場合も、「少し前から準備しておけばよかった」と感じた場面が何度もありました。
介護が必要になるサインとは?
次のような変化が親に見られたら、準備を始めるサインです。

- 同じことを何度も聞いてくる(短期記憶の低下)
- 冷蔵庫に同じものが何個もある
- 公共料金の未払いが出てきた
- 家の中が以前より散らかりやすくなった
- 通院や薬の管理が雑になってきた
- 外出を嫌がるようになった
- 体重が急に減った、または増えた

これらの変化は「老化のせいだから仕方ない」で済ませがちですが、早めに地域包括支援センターや主治医に相談することで、重症化を防げることもあります。
まず知っておきたい「介護保険」の基本
介護サービスを使うには、「要介護認定」を受ける必要があります。認定を受けて初めて、介護保険のサービスが利用できます。
申請から認定まで約1ヶ月かかります。「すぐ施設に入れたい」と思っても、この手続きが終わらないと何も動き出せません。だから早めの準備が重要なんです。
介護保険サービスの中でも、在宅で利用できる代表的なサービスが「デイサービス」です。デイサービスの利用の流れについては、こちらの記事でくわしく解説しています。
→ デイサービスを利用するには?初心者向けに利用までの流れをやさしく解説
要介護認定の申請方法
- 住んでいる市区町村の窓口(または地域包括支援センター)に相談
- 申請書を提出(本人か家族が申請できる)
- 認定調査員が自宅に来て本人の状態をチェック
- 主治医の意見書を取得(市区町村から主治医に依頼)
- 審査・判定(非該当〜要介護5の8段階)
- 認定通知が届く
詳しくは厚生労働省「要介護認定について」をご参照ください。
介護準備として今すぐできる3つのこと

① 地域包括支援センターの場所を調べておく
地域包括支援センターは、介護に関するあらゆる相談を無料で受け付けてくれる窓口です。「まだ介護は必要ないけど、少し心配」という段階から相談できます。
親の住んでいる市区町村のホームページで「地域包括支援センター」と検索すれば、最寄りのセンターが見つかります。制度の詳細は厚生労働省「地域包括支援センターについて」でも確認できます。
② 親の主治医・かかりつけ医を把握する
要介護認定の際に「主治医意見書」が必要になります。かかりつけ医がいない場合、意見書の依頼先に困ることも。
「どの病院に通っているか」「どんな薬を飲んでいるか」を、元気なうちに把握しておきましょう。
③ 兄弟・家族と「介護をどうするか」を話し合っておく
介護が始まってから「誰が主に担うか」を決めようとすると、感情的な対立になりがちです。
「誰が近くにいるか」「誰が仕事を調整できるか」「費用はどうするか」を、親が元気なうちに話し合っておくことで、いざというときに動きやすくなります。親の引越しや同居を検討している場合は、手続き面でも事前準備が必要です。
→ 高齢の親の引越し手続きまとめ|自治体をまたぐ引越しでやったこと全部話す【実体験】

「まだ大丈夫」と思っているうちに動くのが正解
私がデイサービスで見てきた中で、「準備が早かった家族」と「準備が遅かった家族」では、介護が始まってからの精神的な余裕が全然違います。
早く準備した家族は「選択肢の中から選べる」。遅れた家族は「あるものの中から選ぶしかない」。この差はとても大きい。
今この記事を読んでいるあなたは、すでに「動き出した人」です。ぜひ、一歩ずつ準備を進めてみてください。
介護歴12年・母と同居中の私から、ひとこと
私は今、実母のサナエちゃん(79歳)と同居しています。介護の仕事を12年続けてきたので「知識はある」つもりでいましたが、いざ自分の親が相手になると、「わかっているのにうまくできない」という場面が何度もありました。
だからこそ、声を大にして言いたいのは——「元気なうちに、一度だけ話してみて」ということです。
「介護の話をすると親が嫌がりそう」と思うかもしれません。でも多くの場合、親御さん自身もどこかで不安を感じています。「もし倒れたらどうしよう」「子どもに迷惑をかけたくない」——そういう気持ちを、家族が声をかけることで話せるようになることが多いです。
難しいことを話す必要はありません。「最近、体の調子はどう?」「通院はどんな感じ?」——そんな小さな会話の積み重ねが、いざというときの大きな安心につながります。
まとめ
- 介護の準備は「何も困っていない今」が始め時
- 要介護認定の申請は時間がかかるため早めに知っておく
- 地域包括支援センターは無料で相談できる頼れる窓口
- 家族間での話し合いは元気なうちに
介護のことで不安なこと、もっと知りたいことがあれば、他の記事もぜひ読んでみてください。


コメント