ケアマネジャーの仕事はきつい?52歳で資格を取った介護職員が、すぐ隣で見たリアル

介護のこと

✏️ この記事を書いた人:わらびもち
北海道・釧路のデイサービスで生活相談員として12年以上勤務。介護福祉士・ケアマネジャー資格保有。実母の介護も経験。記事は個人の経験・見解に基づくものです。医療・介護の判断は必ず専門家にご相談ください。

「ケアマネジャーってきついって聞くけど、実際どうなの?」と聞かれることがあります。

私は52歳でケアマネ試験に合格して資格は持っていますが、いまケアマネとして働いているわけではなく、デイサービスの生活相談員をしています。ただ、相談員として日々たくさんのケアマネさんと連絡・調整をしてきました。そのすぐ隣で見てきた立場から、ケアマネの仕事のリアルと、私自身が資格を取って感じたことを正直にお伝えします。

ケアマネジャーの仕事、ぶっちゃけきつい部分

① 書類・記録の量が多い

ケアプランの作成、モニタリング記録、担当者会議の議事録、給付管理…とにかく書類が多い。パソコン作業が苦手な方には、最初は特にしんどいと思います。

デイサービスの職員として連携してきたケアマネさんのほとんどが「書類に追われている」という状態でした。面会に来てもらっても、話しながらメモを取り続けていて、「あの人、ゆっくり休めているのかな」と思うことが何度もありました。

試験勉強で制度の全体像を学んでからは、その書類量がなぜ必要なのかよくわかりました。だからこそ「しんどい」という感覚は変わらないけれど、「意味のある書類」だということも理解できます。

② 利用者・家族・事業所の調整役になる

利用者さんの希望、家族の意向、医療機関の指示、介護サービス事業所の都合…それぞれが必ずしも一致しない中で、間に立って調整するのがケアマネの仕事です。「板挟み」を感じる場面も少なくありません。

あるケアマネさんが「昨日は娘さんと息子さんの意見が割れて、2時間話し合いをしていた」と話してくれたことがあります。利用者本人はどうしたいか、でも家族の状況も無視できない。そこを一緒に考えて着地点を見つけるのが、ケアマネの腕の見せ所でもあります。

感情的なやりとりが続くと消耗します。それが毎日続く、というのは覚悟が必要な部分です。

③ 24時間対応が求められることも

在宅ケアマネの場合、夜間・休日に緊急連絡が来ることがあります。「仕事とプライベートの境界が曖昧になる」という声も多いです。

もちろん職場によってサポート体制は異なりますし、最近はオンコール当番を分担している事業所も増えています。ただ「いつ電話が来るかわからない」という状態は、精神的な負担として蓄積しやすい。この点は入職前に職場に確認しておきたいポイントです。

近くで見て・資格を取って感じる、ケアマネという仕事の魅力

① 利用者さんの生活全体に関われる

介護職(ヘルパーや施設スタッフ)は、担当のサービス中だけ関わります。でもケアマネは、その人の暮らし全体を見る仕事。「この人がどんな人生を歩んできたか」「何を大切にしているか」を深く知ることができます。

私が52歳でケアマネを目指したのも、「もっと利用者さんの人生に寄り添いたい」という気持ちが強かったからです。

現場で「この利用者さんはなぜこんな生活をしているんだろう」と疑問に思うことがありますよね。ケアマネはその背景ごと把握したうえで動く。それは介護職では味わえない、独特の充実感だと思います。

② 専門職としての信頼を得られる

連携してきたケアマネさんたちは、家族から「あなたに聞けばわかる」と頼られる存在でした。資格を取ってからは、私自身も同僚やご家族から相談される場面が増え、知識が誰かの安心につながる手応えを感じています。

「制度のことを正確に説明できる」「必要なサービスを適切につなげられる」——それが相手の生活を守ることに直結する。この感覚はケアマネ資格を取って初めてわかったことです。

③ 介護保険制度の「全体像」が見えてくる

ケアマネの勉強をして初めて、介護保険のしくみが体系的にわかりました。どのサービスをどう組み合わせるか。限度額をどう使うか。この視点が持てると、介護全体への理解が深まります。

現場で「なんでこのサービスは使えないんだろう」と感じていたことが、制度の構造を知ることでスッと理解できるようになります。働き方や利用者への対応も変わってきます。

ケアマネに向いている人・向いていない人

正直に言うと、誰にでも向いている仕事ではありません。

向いていると思う人

  • 「調整・交渉」が苦にならない人
  • 書類やパソコン作業をコツコツこなせる人
  • 利用者の生活全体に関心を持てる人
  • ある程度のストレスを自分でいなせる人

少し覚悟が必要かもしれない人

  • 人間関係のトラブル処理が極端に苦手な人
  • オンとオフを完全に分けたい人
  • 書類が根本的に嫌いな人

ただ、「向いていないかも」と思う部分は、経験や環境でカバーできることも多いです。私自身、書類作業は得意ではありませんでした。でも「必要な仕事だ」という理解があれば、こなし方は身につきます。

50代からのケアマネ取得、遅くない?

私は52歳でケアマネ試験に合格しました。「遅すぎた」とは一度も思っていません。

むしろ、介護職として12年積んだ経験があったから、試験勉強も「これは現場で見たことがある」と結びつけやすかった。年齢は関係ない、と実感しています。

テキストの言葉が、実際の利用者さんの顔と重なる。それが理解の助けになりました。現場経験がある人ほど、学んだことが腑に落ちやすい試験だと感じています。年齢よりも「積み上げてきた経験」が力になる資格です。

ケアマネ試験の受験資格は、「5年以上・900日以上の実務経験」が必要です。介護福祉士・看護師・社会福祉士などの資格保有者が対象になります。詳しくは厚生労働省の専門職ページでご確認ください。

まとめ:ケアマネはきつい、でも深い仕事

ケアマネジャーの仕事は、確かにきつい部分があります。書類の多さ、調整役としての板挟み、24時間対応のプレッシャー。これを「大変じゃない」とは言えません。でも、その分だけ深い仕事です。利用者さんの暮らし全体を支えるという視点、専門職として頼られる経験、制度の全体像を知ることで生まれる確かな手応え。

  • 書類・調整業務が多く、精神的にきつい場面もある
  • 利用者さんの生活全体に寄り添える、深い役割がある
  • 50代からでも遅くない。現場経験が活きる
  • 「誰かの暮らしを支えたい」という気持ちがあれば向いている仕事

「誰かの生活を、もっと丁寧に支えたい」——そう思っているなら、ケアマネという選択肢は十分に価値があると思っています。

ケアマネ試験の勉強法や、私の合格体験記はこちらの記事シリーズに書いています。よかったら読んでみてください。

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